引っ越すよ

大阪に戻って一年あまり立ったとき、母から突然「引っ越すよ」と打ち明けられた。それ
まで16年近く公務員アパートに暮らしてきた筆者にとって、塀の外は未知の世界のよう
であった。日々高校に通い、塀の外に出てはいたわけなのだが、やはり住むとなると事情
は変わってくる。父や母もなれ親しんだ環境から離れることに不安を感じていたに違いな
いが、決心は硬かったようだ。その理由が「持ち家に住めば、転勤命令を拒否することが
でき家族に負担をかけずに済む」であったことを知ったのは、ずっとあとになってからの
ことだ。こうして移り住んだのが、大阪市内の北東、筆者の通う高校の最寄駅から一つ
北にある駅のそばのマンションだ。新しいマンションは公務員アパートとは違って、同じ集合住宅でもオシャレな感じで引越しできて嬉しかった。父も、電車に揺られて通勤することが良い気分転換になっていたようだ。ただ、祖母だけは違った。近所付き合いが途絶えてしまい、好きな庭いじりもできず寂しそうにテレビを見ていたのが気の毒であった。

足 細く

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このページは、カクテルが2013年3月 5日 18:18に書いたブログ記事です。

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